MANIFESTO 建築に関する考え方

デザインへの取り組みに関して

建築・インテリアに限らず、都市計画から家具作り、グラフィックデザインまで人が見て・触れて・感じて・影響を受けて・使われるもののデザインをします。与えられた条件の中に潜む魅力やポテンシャルを引き出すデザインを心がけています。思いもしない魅力を探し、太陽光や通風を利用した快適な空間を目指しています。敷地の条件は毎回異なり、建築主の要望も十人十色です。生活の様式には「正解」や「一般解」はありません。デザインは毎回ゼロからのスタートする「特殊解」を目指す作業だと考えています。デザインを押し付けない、言われた通りのデザインをするイエスマンでもならない。とことんコミュニケーションを取り、最適な解を導き出す。そんなデザインプロセスを大切にしています。

住宅に対する想い

広い家が広く感じられるのは当然です。
面積は小さくても、のびやかな広がりが感じられる豊かな空間を大切にしたい。
住宅という「箱」を設計する際に部屋の大きさだけでなく、その中での行動や人の動線、生活のあり方やその家が周辺に与えたり、周辺から受ける影響を考えてデザインしたいと思います。
例えば、窓そのものをデザインする事よりも、窓から見える雲やお月様を意識したデザインが大切です。風景を切り取り、光の軌跡、通り抜ける風を意識した窓を考えたいと思います。
家は機能的で快適であるべきだと思います。「快適」で あるというのは冷房が良く効くとか、お湯がちゃんと出るという事だけではありません。住宅は住む人の自己表現の場であり、夢や希望を叶える場であるだけでなく、悲しみや疲れを癒す場でもあります。住まい手の個性を反映し、人生の様々な場面を抱擁する優しい空間を考えたい。思い出を刻む安らぎの空間を考えたいと思います。開放的なだけの、真っ白なだけの家にはしたくありません。
それぞれに魅力を持った個性的な空間を住まい手と一緒に創り上げたいと思います。 建築家の想いと住まい手の理想が出会い、時にはぶつかり合い、融合して思いもよらない新しい着地点に到達することがあります。そのためには頭を悩ませ、時には苦しんだ過程もあったことでしょう。
しかし、出来上がった建物はその苦労の一切の痕跡を感じさせない、心地よさだけが残るような空間に満ち溢れていてほしいと思います。

自然エネルギーと設備に関して

太陽のエネルギーによって地球は暖かく保たれています。
温暖化の問題が叫ばれていますが、我々は太陽の恵みなしでは生きてゆけません。太陽エネルギーの太古からの貯金である石油。その貯金を切り崩す今のやり方には限界があります。
太陽のエネルギーは直接に大地を暖め、水蒸気を作り、雨を降らせ、風を発生させます。また、植物を育て、豊かな実りをもたらします。太古の人間は太陽を神と崇めていました。太陽が引起こす様々な奇跡を目の当たりにし、畏敬の念を持って受け止め、その価値に対して素直に敬意を祓っていたのでしょう。化石燃料の使用を出来るだけ抑え、太陽の暖かさと風の涼しさを最大限に活かした設計を考えたいと思います。
雨が多く、夏の日差しの強い日本では庇(ひさし)はとても重要です。夏の日差しを遮る庇を考え、効果的に配置された大きな窓や高窓は効率よく室内を照らします。また、冬にも室内を暖かくします。天窓も効果的です。建物の周辺に少しでも余裕があれば深い庇を設けて、縁側的な空間や土間といった外と内の中間領域を作り、日本の気候風土に馴染んだ空間創りを心がけたいと思います。
自然の無尽蔵なエネルギーを最大限に活かす工夫をし、補助的に設備を用いる事が出来れば、クリーンで豊かな、地球に優しい生活を送ることが出来ます。風の通り道をちゃんとデザインできれば夏は殆ど冷房無しでしのげます。断熱性能を高め、太陽エネルギーをうまく利用すれば最小限の暖房で冬もしのげます。このような高性能な建物の建築費はそうでない建物に比べ多少費用が掛かる事でしょう。ペアガラスの方がシングルガラスよりも高価です。高い断熱性能を求めれば、断熱のない建物よりもお金が掛かります。

しかし、使い始めてからは消費するエネルギーは格段に抑えられます。結果的に環境に対して優しい建物は経済的でもあり、長期的には安上がりになるのです。自然環境に対して優しいライフスタイルを送る方が経済的でもあるのです。

建材と健康と自然環境について

「デザインとは人間の意志の表明である」と言った建築家がいます。
デザインは現状に対して何らかの変化を与える行為であり、行為の裏には目的や意図が存在します。
デザインの主な目的は快適で美しく、便利で効率の良いライフスタイルの実現です。
しかし、デザインの段階では環境破壊を意図した訳では無いにも関わらず、身近な快適性や利便性を求めた結果、現実的には思わぬところで様々な環境破壊が発生してしまいました。
この事は問題が起こらないように予め想定し、防ぐような対策を含んだ計画としないのはその後に起こった惨劇を計画していたことに等しいという事を示しています。
つまり、ある種の「無作意」が「悪意」を持った場合と同じ結果を引き起こしてしまうという事です。用途を全うした後の物がどうなるのかに関して無意識でいると実は環境破壊に積極的に加担している事に等しいのです。
使い捨て文化と人間の生産・廃棄活動によって地球環境は疲弊しています。このままでは我々人類のみならず、地球の恵みを分かち合う生き物全てにとって、明るく、幸福な未来は期待できません。こうした状況を避けるために、我々は「デザイン」という言葉の持つ意味を拡張する必要があります。
「デザインする」ということは最早対象物が使われているときだけではなく、その目的を全うして解体され、破棄される段階までも考慮する必要があるのだと思います。
自然環境は到底全てを理解しつくせない複雑で精巧なシステムによりデリケートなバランスを保っています。地上の生き物は統べてそのバランスを保つためのルールに従っています。
生物は生命を謳歌し、その生命が終わると土に返り他の生命の栄養源になります。植物の場合、その過程で酸素を作り、他の生物が生きる環境を提供し、美しい姿で我々を癒してくれさえもします。
このような繁栄と持続の法則に対して、唯一の例外は我々人間です。
問題解決のために具体的には以下の対策が必要になると思います。


1)安全で完全に土に還せる建材の開発
環境ホルモンや発がん性の疑われる物質を含まず、土に還しても安心してその場所で野菜や果物の栽培が出来るような建材の開発。

2)100%リサイクル可能な建材の開発
工業製品でリサイクルのためにエネルギーを浪費するのは意味がありません。再生紙の問題でも分かったようにリサイクルは非常に大きなエネルギーが必要になります。しかもリサイクルするたびに材質は劣化します。
こういったものはある程度のリサイクルで、あとは自然分解のサイクルに載せた方が良いのかもしれません。
しかし、資源の種類によっては工夫により純度を高めておけば、理論上何回でも再生できる類の材料もあります。こうしたものは改修の徹底や、デザインの段階における分解のしやすさの考慮により、大きな資源の節約になります。

実はこのような材料は既にいくらでも存在しています。環境に優しいものは漆喰や天然木など天然素材といわれる部類のものです。これは上記1)に属します。
また、鉄やアルミ、ガラスなど、比較的再生しやすい工業製品は2)に属します。
しかし、問題が全く無い訳ではなく、よりその工程をファインチューニングする必要があります。また、大量に必要とする需要に答えるため、上記の基準を満たす新たな素材の開発も必要になります。
自然環境は複雑で精巧なシステムによりデリケートなバランスを保っています。地上の生き物は全てそのルールに従って生きています。生き物は生命を謳歌し、その生命が終わると土に返り他の生命の栄養源になります。植物の場合、その過程で酸素を作り、他の生物が生きる環境を提供し、美しい姿で我々を癒してくれます。唯一の例外は我々人間です。
今すぐにこの過ちを完全に正すことは不可能でしょう。しかし、その問題を理解し、少しでも改善を目指してそれぞれが可能な範囲で行動に移す事が重要だと考えます。地球の環境を守ることが我々の安寧を保つことになるのです。

既存住宅やマンションのリフォームについて

リフォームをする理由は、人によって千差万別です。
既存状態の「間取りと自分の家族数が違う」とか、「年数が経って古びてきた」という理由が多いのですが、中には単純に「自分のやりたいわがままを叶えて欲しい」といった、出来合いの住まいのあり方に満足のできないという方もいます。
幸運にも土地を得て、一から建物を建てることが出来れば理想ですが、都市部の地価を考慮すると中々難しいのが現実だと思います。
建築家の目線で語ると、リフォームはそんな理想を追求する人向けのやり方、言い換えれば「自分の憧れや願望を最も叶えやすい住まいづくり」だと言えます。
コンクリート構造のマンションの場合、一定の条件を満たす物件であれば銀行で35年の長期ローンも組めるようになっています。
中古マンションを購入してリフォームする事は、コスト的にも実現可能な夢の叶え方なのです。
家族で住むことを前提にすると、マンションの広さは最低でも60m2以上は必要だと考えます。夫婦二人や一人でお住まいになるのであれば、40m2~程度でも充分可能です。マンションは戸建てに比べて温熱環境がとても有利に出来ています。問題は広さと風通しです。この特性を活かし、問題を認識し、出来る限り快適な住まいを作るためには、部屋の間仕切りを可能な限り無くし、開放的な間取りとすることが大切だと考えます。
家族間のプライバシーと風通しや温熱環境の快適性や空間の心地好さを天秤に掛けながら慎重に計画するのです。
一緒にゆとりのあるマンションのリフォームを計画してみませんか?
マンションリフォームをお考えの方は是非一度ご相談下さい。

ECO改修について

建物をリノベーションする目的は何でしょう?単純に見栄えを良くするため?古くなって、痛んできたためきて致し方なく?そういったお悩みをお持ちの方にお勧めなのが、エコ改修です。エコ改修というと、ソーラー発電を取り入れたり、LEDの電球に変えたりすることをイメージするかもしれません。また、お金ばかり掛かり非常に高いというイメージを持たれているかもしれません。
しかし、実はエコ改修は大きな経済的メリットが伴います。なぜなら最近のエコ技術の発展により改修に用いた費用が僅か数年から10年程度で光熱費の軽減という形で還元できるということが分かってきたからです。エコ改修は費用対効果を測りながら実行すれば、快適さを得ながら、経済的なメリットも享受できるのです。

そのようなエコ改修のメニューを以下に例示します。

  1)ガラス性能の向上(ペアガラス化・トリプルガラス化)/冷暖房負荷の軽減
  2)ガラスシートによる日射負荷の軽減、暖房効率の改善
  3)古くなった冷暖房機器の最新のエネルギー効率の良いものへの更新
  4)照明器具/電球のLED器具への交換
  5)断熱性能の向上
  6)屋上緑化の提案
  7)屋上断熱防水の提案
  8)風道の見直し/自然通風による中間期の冷房負荷の軽減
  9)積極的な計画換気により、日中の熱気を夜のうちに排出
10)日射遮蔽/反射ルーバーやライトシェルフの利用による自然光取り入れ
11)自然光利用効果による日中の電気代の削減の提案
12)断熱計画の見直し
13)遮熱材の使用による外壁改修
14)緑のカーテンの設置
15)周辺の植栽計画の見直しによる環境改善の提案

改修をお考えの方は是非ご相談下さい。